本書は、漢方・中医学の枠組みにおける「弁証(病態の分析)」と理にかなった「方剤選択」に特化した、臨床・教育用のリファレンスである。漢方や中医学を学ぶ学生、実務に携わる臨床家はもちろん、提示された症状に対して「どの方剤が適合するか」だけでなく、「なぜそれを選ぶのか」までを深く理解したい本物志向の一般読者に最適な一冊となっている。
その核心として、本書では臨床で頻繁に遭遇する41の病態を網羅。それぞれの病態を弁証(タイプ別のパターン)に細分化し、対応する古典的な方剤とその裏にある内部メカニズム(病機)の解説を付している。約130余種に及ぶ方剤の選定理由や臨床応用が詳細に解説されており、単なる丸暗記を促すのではなく、「なぜある病態には補法(補益)が必要で、別の病態には瀉法(瀉下・清熱等)が必要なのか、あるいは単なる和法(調和)にとどめるべきなのか」という、選択の背後にある論理的思考へと読者を誘う。
構成は、基礎から応用へと流れる全4部仕立てとなっている。
第1部: 漢方・中医学の基礎理論第2部: 診断と弁証の基本第3部: 中薬(生薬)と方剤組成の原則第4部: 症状・病態別の漢方プロトコル(処方解説)さらに、巻末には充実した2つの付録を収録。一つは中薬のアルファベット順インデックス(中国語名、ラテン語学名、四気五味、帰経、効能を網羅)、もう一つは本書に登場する全138方剤のインデックス(中国語名、翻訳名、適応症、構成生薬と用量)である。
明快で現代的な表現で執筆された本書は、伝統医学に初めて触れる人々への門戸を開くと同時に、経験豊かな漢方・中医学の臨床家にとっても、自らの知識を実践的な臨床の枠組みへと再構築するための強力なツールとなるであろう。
This book is a clinical and educational reference dedicated to pattern differentiatio