経営危機にある企業は、債務を減らすだけでは再生しません。資金繰り、事業の収益力、債権者の利害、株主や経営陣の判断が絡み合うなかで、何を残し、何を変えるのか。リストラクチャリングは、財務と事業を同時に見つめる仕事です。
本書は、ディストレスト投資の視点から、企業再建と債務再編に関わる基本的な論点を整理します。債務負担と返済能力の見極め、資金繰りの確保、事業計画の妥当性、債権者間の調整、返済条件や資本構成の見直しなど、再編の過程で向き合う判断を考察します。
複数の利害関係者がいる案件では、経済合理性のある提案でも、そのまま実行できるとは限りません。誰がどのリスクを負い、再建後の価値をどう分け合うのか。法的・契約上の制約と事業運営上の現実を踏まえ、実行可能な選択肢を組み立てる視点が求められます。
ディストレスト投資家、再生ファイナンス担当者、金融機関の審査・管理部門、企業再生に関わるアドバイザーに。危機対応を場当たり的な交渉にせず、再建のシナリオとして捉えるための実務的な一冊です。